7.06.2015

something? or anything? 「チャイルド44」

「一気読み」と言うものを、初めて経験した小説が映画化されました。
休日まで待ちきれず、公開初日のレイトショーで観賞。





スターリン政権下のソビエトが舞台。
国家全体を包み込む相互不信が招く様々な事象、そして幼い少年ばかりを狙う猟奇殺人事件が複雑に絡み合う骨太なサスペンス作品。

「チカチーロ事件」という実際に起きた殺人事件がモデルになっているようです。


上下巻に及ぶボリュームある物語を映画の尺にギュッと集約しているので、深く描写しきれていない部分や、原作を未読の方には理解しにくい場面もありましたが、概ね満足のいく内容でした。
が、ひとつだけ。
主人公レオの妻ライーサ役は、もっと華奢で美しいイメージだったなあ

演じた女優さん(ノオミ・ラパス)は「ドラゴンタトゥーの女」のリズベット(スウェーデン版)のイメージが強すぎてしまって‥リメイク版リズベット(ルーニー・マーラ)ならハマっていたかもしれない。

すばらしい演技力なので、勿論ミスキャストとは言いませんが・・・ちょっぴり違和感を覚えました。


そして大好きなゲイリー・オールドマンも出演。
バットマンシリーズの流れか、警察署長的な役でしたが、むしろ劇中のシリアルキラー役の方が好演というか怪演できたのでは。
リュック・ベッソン作品に観る、一癖も二癖もある変態的で独創的な悪役が彼の持ち味のような気がします。


そして、この昂揚感を皆と共有したくなり、他の方の批評を覗いてみた。
さぞかし賞賛の嵐であろうと思っておりましたが、これまた随分と辛口評価の数々。
おかしいなぁ・・・

時代背景を感じさせるピリピリとした空気感を見事に表現し、当時ロシアで小説作品が販売禁止となるだけのリアリティも感じた。
たまたま私が思う理想的な「チャイルド44」であっただけで、誰にでも当てはまる訳ではないんだけれど・・
このところ観た映画では上位の出来だっただけに、そんな批判を受けしょんぼり残念な気持ちではありますが・・

一見、重く暗いイメージの作品ですが、非常に濃密で中毒性あるストーリーです。
ミステリー・サスペンスが好きな方には存分に楽しめるかと。

原作小説は「チャイルド44」「グラーグ57」「エージェント6」と三部作。
是非、映画でも続編を期待致します。



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