9.30.2023

秋風何処

残暑どころか猛暑の9月末某日。

 十数年ぶりに生田緑地までツーリングがてら行ってきました。


平日の割には人も多く、レジャーシートを広げお弁当を食べる人々や、広場で駆けるどこかの遠足らしい子供たちであふれていました。

外国の方も多く見かけましたが、日本民家園があるから?それとも巨匠に会いに?

という訳で、私も初めて「川崎市岡本太郎美術館」を鑑賞。





熱出しそうなくらいすごかった。

「今日の芸術は、 うまくあってはいけない。 きれいであってはならない。 ここちよくあってはならない。 それが芸術における根本条件」

うん、たしかに巨匠の作品には心地よさなんて微塵も感じない。

けれど強烈に感じる「生」への探求や渇望とも呼べるあふれんばかりの情熱情欲。

なんかすごいもの見ちゃった。

素晴らしい著書も沢山あるみたいなんで、近く読んでみようと思います。

因みに1954年に発売された作品の一部を抜粋してみましたが、現代においても違和感のない説得力を持っているなと感じました。↓↓↓


『今日の芸術―時代を創造するものは誰か』
著者:岡本太郎 出版社:光文社


生きるよろこび

 まことに、芸術っていったい何なのだろう。
 素朴な疑問ですが、それはまた、本質をついた問題でもあるのです。
 芸術は、ちょうど毎日の食べものと同じように、人間の生命にとって欠くことのできない、絶対的な必要物、むしろ生きることそのものだと思います。
 しかし、何かそうでないように扱われている。そこに現代的な錯誤、ゆがみがあり、またそこから今日の生活の空しさ、そしてそれをまた反映した今日の芸術の空虚も出てくるのです。
 すべての人が現在、瞬間瞬間の生きがい、自信を持たなければいけない、その喜びが芸術であり、表現されたものが芸術作品なのです。そういう観点から、現代の状況、また芸術の役割を見かえしてみましょう。


◎現代人は、部品になった

 私はいま、芸術はけっきょく生活そのものの問題だといいました。
 ふつうの人は、「生活」というと、働いてその日その日をなんとか食いつなぎ、余暇には適当な娯楽、といってもせいぜい映画や、プロ野球、プロレス、ボクシングを見たり、あるいはハイキングか、温泉旅行というようなレクリエーションをするくらい。そして翌日からは、また精を出して、食うために働く。それが、まああたりまえ、人間なみの生活だというふうに考えています。
 なるほど人は、社会的生産のため、いろいろな形で毎日働き、何かを作っています。しかし、いったいほんとうに創っているという、充実したよろこびがあるでしょうか。正直なところ、ただ働くために働かされているという気持ではないでしょうか。
 それは近代社会が、生産力の拡大とともにますます分化され、社会的生産がかならずしも自分本来の創造のよろこびとは一致しないからです。逆にただ生きるために義務づけられ、本意、不本意にかかわらず、働かされている。一つの機械の部分、歯車のように目的を失いながら、ただグルグルまわって働きつづけなければならないのです。
「自己疎外」という言葉をご存じでしょう。
 このように社会の発達とともに、人間一人一人の働きが部品化され、目的、全体性を見失ってくる、人間の本来的な生活から、自分が遠ざけられ、自覚さえ失っている。それが、自己疎外です。
 自分ではつかうことのない膨大な札束をかぞえている銀行員。見たこともない商品の記帳をするOL。世の中は自分と無関係なところで動いているのです。
 一日のいちばん長い時間、単一な仕事に自分の本質を見失いながら生きている。
 たいていの人は、食うためだ、売りわたした時間だから、と割り切って平気でいるように見えます。しかし、自己疎外の毒は、意外に深く、ひろく、人間をむしばんでいるのです。
 義務づけられた社会生活のなかで、自発性を失い、おさえられている創造欲がなんとかして噴出しようとする。そんな気持はだれにもある。だが、その手段が見つからないのです。


今日の芸術―時代を創造するものは誰か (光文社知恵の森文庫)

著者:岡本太郎 出版社:光文社より引用。

腑に落ちる一文だなと。多才な方だったんですね。


という訳で、来る10月、芸術を爆発させに二年に一度の恒例行事「中之条ビエンナーレ」へと出かける予定です。たのしみすぎるー



それとそれと、お客さんとお話していて初めて知ったことなんですが。

「猫の脚にヒゲあるのしってる?」

アシにヒゲ?

って、帰宅して急いでアンチョビさんの脚を確認。すると・・・




見ずらいけど、確かに発見!

これのおかげで物を落とさず棚の上やら食器棚の上を忍び足できるんですね。

手根触毛とよぶらしいですよ。顔にあるおヒゲと同じくレーダーのかわりなんですね。

白毛だから気が付かなかったな

学びになりました。


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となっております。宜しくお願い致します。





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