まず目指したのは、市内から少し遠い貴船神社。
昨年、過去前例ないスランプに陥り、何かと行き詰った際に訪れ、胸のつかえがすぅっと楽になった気がした。
それを機に物事を前向きに捉えられるようなり、言わば人生におけるターニングポイントとなったその御礼参りとして参拝した。
水神様が祭られているだけあり、瑞々しく清々しい場所であり、加えて天候にも恵まれ陽を浴びた新緑も美しかった。思わず頬が緩むよな、私にとってここは心和む場所。
本宮を参拝し、夏季の風物詩である川床の準備に取り掛かる貴船川を奥宮に向け歩く。奥宮の神々しさたるや。
あそこは絶対にいらっしゃる。かみさまが。
瞬間、静寂に包まれ別の空間に踏み入ってしまったような。
えも言えず恐怖にも似た感覚を覚える。
きっとこれが畏怖というやつなんだ。
留まりたいけれどゆるされない。そんな独特の空気を含む奥宮を後にし、大原三千院方面へと移動した。
叡山電車で宝ヶ池まで移動し、京都バスで大原を目指す。
くねくねとした山道を行くバスは峠を攻める豆腐屋さながらの走りを展開し、最後部に陣取った私を煽り立てた。
空っぽの胃袋に拍車を掛けるカーブの連続。
嫌なげっぷが喉をあがり始めた頃、まさに間一髪、大原に滑り込むバス。
ほっと胸をなでおろし穏やかな里山風景の中、青ざめたヒゲメガネが向かったのは勿論、めし処。
この旅初の京都飯となったのが「大原リバーサイドカフェ きりん」の京野菜カレー。
カレーを待つ間、黒ラベルの瓶ビールをぐびりとやり、みずみずしい京野菜サラダに舌鼓。早朝から移動続きの疲れた体に至福が訪れた瞬間だった。
そして運ばれた彩美しいカレー。期待に違わぬ味に早くも京の食文化に敬服せざる得なかった。
その後、寂光院を経て、三千院へ。
数人のお客様にお薦めされていた為非常に期待値の高い場所であったが、中高年の先輩方数十人からなる軍団との遭遇により、残念ながら駆け足で逃げるような参拝となってしまった。
苔の庭には可愛らしい地蔵さんが点在し和やかな良いお寺さんであった。
並ぶ茶屋でみたらし団子を頂き茶をすする。
これもまた美味。
時計を見ればなかなか良い時間。
ホテルに戻り夜に備えなければならない。
京都で一人呑みというちょっとした冒険に。
心は既にとある料理屋へと向かっていた。
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